学生時代にはぐっすり朝まで寝れたのに、最近ぐっすり寝れてる気がしない・・・、眠りが浅い感じがする・・・。
ストレスの多い現代人の睡眠に対するお悩みは増すばかり。
本当はしっかりと寝て、十分な休息を取って今日の疲れは翌日に持ち越したくないものですよね。
眠りが浅いと感じる原因にはいくつもあり、多くの場合、原因は一つではなく、複数の原因が重なり合ってぐっすり寝れない原因となっていることが多いです。
眠りが浅いと感じる原因をあぶり出し、睡眠環境の改善対策をしていきましょう。
眠りが浅い原因は何?
1 メラトニンの減少。
脳で生成される「メラトニン」は睡眠と深く関係が有り、メラトニンの分泌量が少ないと眠りが浅い原因となります。
メラトニンは通常、夜間分泌量が増え、日中は抑制されています。
このメラトニンは光環境に影響を受けるので、夜寝る前に強い光を浴びるとメラトニンが抑制されるので、注意が必要です。
又、メラトニン分泌量は加齢と共に減少していくため、高齢者では深い睡眠が取りづらくなる傾向があります。
2 アルコール・カフェイン・タバコ
アルコール・カフェイン・タバコが睡眠に及ぼす影響は思いの他強く、寝る前にこれらを摂取すると、脳が覚醒状態に入り、良い睡眠を取れない原因となります。
又、アルコールやカフェインには利尿作用がありますので、夜、トイレでしばしば目が覚めてしまうといった悪影響もあります。
アルコール・カフェイン・タバコを取る時間帯には十分注意し、意識するようにしましょう。
3 環境音
睡眠は騒音の程度によっても左右されます。
日々の生活の中で、生活音が質の良い睡眠を妨げる機会は意外と多いです。
本当はもっと寝たいのに、朝早くに思いのほか早く起こされてしまうことなどありませんか?
音への対策は、結構みんなおろそかになりがちな所なので、少しでも気になる環境音、思い当たる音があれば、それらを軽減する措置を取ることが望ましいです。
4 光環境、太陽光・照明
睡眠の質は光環境によって左右されます。現代人は太陽光の光だけでなく、様々な光に昼夜問わずさらされています。
夜、分泌量が活発になるメラトニンは一定以上の光の下では分泌量が抑制されてしまいます。
夜は柔らかい光の下で過ごすことを意識し、就寝前はパソコンやスマートホンの光を避けるようにしましょう。
又、電気やテレビをつけっぱなしで寝ることも睡眠の質を下げる要因です。
5 寝室の温度・湿度
暑すぎたり、寒すぎたりする部屋では、快適な睡眠が妨げられやすく、覚醒が何度も起こるため寝苦しい状況になります。
春や秋は気になりませんが、とりわけ夏と冬には注特に意したいのがこの寝室の温湿度です。
温度だけでなく湿度も重要で、低湿、多湿の寝室環境は望ましくありません。空調などで一定の温湿度を保つことが大切です。
6 強いストレス
強いストレスを感じると、脳内で緊張を高めるホルモンが分泌さて、交感神経が活発化していきます。
寝るときは交感神経ではなく、副交感神経を働かせ、リラックスした状態が望ましいのです。
このためストレス過多は深い眠りに着けなくなります。
7 病気の可能性
睡眠時無呼吸症候群は特殊ないびきをかいたり、何度も無呼吸状態が続くため睡眠が浅くなりがちです。
重度の患者の脳波を調べると、深い睡眠に到達することなく、浅い睡眠だけで一晩を超えるという、明らかに質の悪い睡眠をとっているという研究報告があります。
うつの代表的症状として睡眠障害があります。寝つきにくかったり、夜中に何度も目が覚めたり、朝早くに目が覚めて、その後寝れないなど、満足のいく睡眠はとりにくくなります。
8 日中の居眠りや昼寝
日中、頻繁に居眠りをしてしまう人や、昼寝をガッツリ取ることは夜の睡眠に影響を与えます。
夜満足に睡眠が取れていないと、電車の中やちょっとした休憩で寝れた事が、「寝れてよかった」とか「ありがたい」と感じてしまいがちですが、実はこれが、夜寝れないとか、熟睡できない理由だったりもします。
熟睡するためには連続断眠時間を増やすことも大切です。夕方以降に仮眠をとったり、日中30分以上の昼寝が夜の睡眠の質低下につながる事を覚えておきましょう。
浅い眠りが引き起こす弊害
睡眠は疲労回復や、記憶の定着・消去など、人が生きていく上で重要な役割を担っています。
疲労回復を阻害
疲労回復や肌の再生など、様々なタンパク質合成には成長ホルモンの働きが関わっています。疲労回復や肌再生にはこの成長ホルモンが必要不可欠というわけなのです。
しかしこの成長ホルモンは深睡眠の段階でしか多く分泌されないということが分かっています。
深い睡眠がなく、浅い睡眠状態を繰り返すばかりだと成長ホルモンが分泌されず、「疲れが抜けない!」ということになるのです。
免疫力の低下
眠っている間には様々なホルモンが分泌され、免疫系等にも重要な役割があります。
夜中に頻繁に目が覚める等、質の悪い睡眠が続くということは、ホルモンバランスを崩し、免疫力の低下を招くと言えます。
眠りが浅いと感じたら取る快眠対策!
眠りが浅くなってしまう原因には様々ありますが、意識したり対策を練る事で、質の悪い睡眠を極力避けることができます。
ここからは、浅い眠りを回避する快眠対策をお話します。
・メラトニンを増やす
メラトニンの分泌量は光と大きく関連しています。
日中(午前中)はしっかりと太陽光を浴びてメラトニンの原料である、セロトニンの分泌を促しましょう、生体リズムが整っていき、夜のメラトニンの分泌量が増え、しっかりと眠気が襲ってきます。
逆に夜はメラトニンの分泌を妨がないよう、光の影響をなるべく小さくする生活を続けましょう。
100ルクス(町の街灯下)程度の明かりでもメラトニンは影響を受けます。500ルクス(一般的な家庭の室内の明るさ)で抑制されます。
帰宅後、部屋の明かりを灯しながら、夜な夜なPCに向かう行為はメラトニン分泌を妨げる行為になっているのです。
又、光の中でもPCやスマホ、液晶テレビなどが発生するブルーライトは、よりメラトニン抑制作用が強いので、就寝前の操作は避けたり、ブルーライトをカットするメガネをかけたりする対策が必要になってきます。
・アルコール・カフェインを断つ
アルコールやカフェインは寝る6、7時間前までに済ますのがいいでしょう。
理想を言えば、アルコールは睡眠に影響を受けてもいい休日前だけに、カフェイン摂取は昼食時を最後にするのがいいです。夕方以降の摂取は少なからず影響があります。
又、寝る何時間前までいいか?ということだけでなく、どのくらい飲んだのかという”総量”にも注意してください。
アルコールやカフェインの分解速度や、血中濃度の半減期には個人差があり、最後に口にするのを、たとえ寝る6時間前までを目安にしていても、それまでにどのくらいの量を飲んでいるかで、就寝時の体内に残っているアルコール濃度やカフェイン濃度は変わってくるのです。より多くの量を分解するにはより多くの時間が必要になるということです。
・生活音対策
寝室外の音や寝室内の物音で目が覚めないよう対策をしていきましょう。外から入ってくる音は、窓や壁を対策して防音用のカーテンやサッシ等が有効です。
同居人がいる方は、同居人の朝支度等の物音を契機に起こされる場合もあります。よく話し合いお互いの睡眠を妨げない配慮が必要です。
又、いっそのこと起きる時間を一緒にしてしまう事もひとつの手です。
合う・合わないや使用当初違和感がある等の問題はありますが、個人的におすすめの防音対策は耳栓です。直接耳を塞ぐ事ができ、室外室内関係なく騒音をカットできます。使ったことがない人は是非一度お試し下さい。
・光環境の整備
部屋はしっかりと暗くして寝るのが理想的です。テレビや、証明をつけたままの就寝は眠りを浅くします。
就寝前には柔らかい光の中で過ごすことを意識します。パソコンのモニターや、スマホは就寝前には厳禁です。
起床後にはしっかりと太陽光を浴びるようにしましょう。早朝に浴びる太陽光には体内時計をリセットする力があります。
夏と冬では日の出の時間帯が大きく異なります。夏場は外からの太陽光で、本意でない目覚めを誘発されないよう遮光カーテンや、アイマスクで対策をしましょう。
・寝室は快適空間に
寝室空間は常に寝心地の良い環境を保ちましょう。空調を使いあなたのベストな温度、湿度を計りましょう。
埃やチリ、ダニなどの空気環境も影響します。良質な睡眠は清潔空間でのみ可能となります。常に清潔感を保ちましょう。
・昼寝・仮眠は計画的に
日中耐えられない眠気に襲われ、寝てしまう。移動中、帰宅時、電車やタクシーの中などで、寝てしまう。こういった習慣はよくありません。
日中の睡眠は夜の睡眠に影響しますので、取るならば計画的に取るのが理想です。
どうしても昼食後の眠気がひどいという方は、夕方15時、16時より前に、30分以内の計画的な仮眠を取ることが望しい仮眠の取り方です。(※就寝0時前後と考えて)
連続断眠時間が長ければ睡眠欲求も強くなることを覚えておきましょう。
・ストレスとの付き合い方
ストレス過多になっている時は積極的にストレス解消に努めましょう。ストレスは免疫力を弱くしたり、様々な病気の引き金にもなります。
寝る1時間前位のシャワーや、ややぬるめのお湯にしっかり浸かるという行為は、副交感神経を働かせ、高まった緊張をほぐしてくれます。
朝シャン派の人も、その日の疲れはその日のうちに洗い流してしまいましょう。
病気を疑い医者の診断を仰ぐ
強いストレスを長く受け続けている人や、特異ないびきをかくなど、質の悪い睡眠が日常生活・仕事に支障をきたしているのならば早急に病気を疑う必要があります。
病気の場合、生活改善や環境改善と共に、医師の治療が必要になってきます。
熟睡感が無いことや、昼間の耐えられない強い眠気、夜中頻繁に起きるという、睡眠のトラブルは体の危険信号を伝える合図であることも忘れてはいけません。
深い睡眠ができないでいると、疲労感が蓄積され、やがて心までも病んでいき、ますます寝れない状態へ陥りかねません。
現在では睡眠を専門的に診てくれる睡眠外来や睡眠専門クリニック等、多くの専門病院がありますので、睡眠に異常を感じるのならばこういった機関に足を運ぶことをおすすめします。